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UNIQUEユニーク

多様化する機能やニーズに応え、高次元の建築を実現した施工事例をご紹介します。
心地良い空間の基準は人それぞれ異なるため、お客様が求める心地良さを大切にしています。
想いに寄り添い日常を豊かに変えた、個性溢れる作品をご覧ください。

01 : 70畳を貫く大空間01 02 : 多彩な7層フロア02 03 : 共鳴する隣地施工03

01 : 70畳を貫く大空間

明るくエレガントな外観に対して、内装は落ち着いたモダンテイスト。内外のコントラストを楽しめ、
ワイドスパンを実現したリビングダイニングは、まるで2つの中庭に挟まれたかのような開放感を演出。

11メートルのワイドスパンを実現
70畳のリビングダイニング

「家族が集う空間はダイナミックに」とのご要望に応え、開口部を可能な限り広く取るために、鉄骨造を採用しました。リビングから中庭に向けて大きく開かれた開口部は、長さ約11メートルのワイドスパンを実現し、中庭の景色を大胆に取り込みます。リビングダイニングは、約70畳の広さに加え、2層吹き抜けの大空間を叶えました。

見えなくなる部分だからこそ、
細心の注意を払う

まるで、地階を設けているような山留めですが、重量鉄骨造の基礎工事中です。地盤の強さを調べる地盤調査を行い、基礎の深さや形状、補強工事の検討も行われました。基礎工事は、上部構造の荷重を支持地盤に伝え、沈下を防ぐ役割を担う非常に重要な工程です。完成後は地中に隠れて見えなくなるため、細心の注意を払って作業を行います。

「建方」と呼ばれるクレーンなど重機を使用し、建物の骨組みとなる鉄骨を組み立てる作業が始まります。下まわり班と取付け班に分かれ、下まわりは、鉄骨の吊り上げや組み立てを効率よく行うために調整し、取付け班は高所で安全を確保しながら慎重に作業します。安全を最優先に、迅速かつ正確な作業が求められ、技術や経験が重要となります。

建物の外部工事が完了後、内部下地に入ります。軽量鉄骨や木材で内壁の骨組みが作られ、部屋の空間が形成されます。鉄骨造は熱が伝わりやすいため、断熱材の施工も重要な作業です。こちらのリビングダイニングは、2層吹き抜けの大空間なため、作業内容に応じて様々な足場を設置しながら高所での作業に対応します。

リビングダイニングの床は鏡面仕上げのタイルを張ります。 一定の目地幅で仕上げられるスペーサーが用いられ、均整の取れた美しい仕上がりを目指します。始めに通路となる床を施工し、完成後は養生を行って作業員の通路を確保しました。約70畳の空間のためタイルを張るのも一苦労ですが、完成後の美しい姿を想像しながら作業に励みます。

内装工事も大詰めとなり、天井や壁面の仕上げ作業を進めています。慎重に下地処理を行い、鏡面仕上げの床タイルと温かみのあるブラケットライト、木目調の壁面が調和し、洗練されたエントランスホールが完成します。高級住宅は、卓越したデザインと施工の丁寧さがインテリアの質感と美しさに反映されます。

約11メートルのワイドスパンが中庭をダイナミックに取り込む

約11メートルのワイドスパンを実現した大開口が、中庭の景色をダイナミックに取り込むリビングダイニング。
床材には、鏡面仕上げのシックなタイルを使用し、まるで水面のように景色が映り込むことで、更なる広がりを生み出します。
ただ、広さを確保するだけではなく、様々な工夫を凝らして、お客様が求める以上の空間を叶えています。

中庭に向けて大きく開かれた大開口の対面は、格子付きのミラー仕上げです。ミラーに映し出される景色によって、2つの中庭にリビングダイニングが挟まれているかのような、開放感を演出しました。また、上部はハイサイドライト(高窓)を設置し、たっぷりと光を取り入れながら、流れる雲の景色を眺められます。

外観は、白を基調とした均整の取れた美しさと、洗練されたラインを意識したデザインです。明るくエレガントな外観に対して、内装は落ち着いたモダンテイストを取り入れ、内と外のコントラストを楽しめます。外観と内装の対比がもたらす魅力が、一歩足を踏み入れるたびに、新たな感動が生まれるデザインに仕上げました。

02 : 多彩な7層フロア

周囲にビルやマンションが建ち並ぶ、都心の一等地に佇む地下1階から地上6階建て。
各階に異なる魅力を持つ住まいは、周囲の環境に左右されない牢固たる城のように、プライバシーを守る。

4階までは外部に開口を設けず、
採光は高窓やパティオから得た
都市型住宅

周囲にビルやマンションが建ち並ぶ立地のため、「外部から内部の様子がわからない高いセキュリティー性」を重視した住まいです。土地柄に調和するよう、外観には重厚感のある天然石を用いて街並みに溶け込むデザインに仕上げました。ライトアップされた割り肌仕上げの外壁が、城壁を連想させます。

地下掘削工事を進める、
地下1階地上6階の7層フロア

重機を使用して地下工事用の親杭を設置し、親杭や腹起こしなどの仮設工事を完了させた後、土掘りを開始します。周囲はマンションが迫っているので、慎重な作業が求められます。松矢板で徐々に壁を形成しながら掘り進め、地下の掘削工事を完了させた後、躯体工事に移ります。まずは鉄筋工事を行い、配筋検査を経て、コンクリートを打設します。

地下1階の工事が完了し、1階部分の基礎工事に進んでいます。鉄筋を床・壁・梁の順にしっかりと組み立て、その後に型枠材を設置し、耐久性の高いコンクリートを丁寧に流し込みます。鉄筋コンクリート造は、下の階から順に階層を積み上げていくスタイルで進行し、同様の手順で地上6階までフロアを一つずつ丁寧に積み重ねていきます。

異なる用途に合わせ、
フロアごとに世界観を作り上げる

2階に位置するLDKは、パティオとハイサイドライト(高窓)から採光を得て、プライバシーを守る計画です。建築中の写真では、パティオ側のハイサイドライトが透明で、隣接する建物の開口部が見えています。工事の進行に伴い、この開口部にシートを貼り、不透明に仕上げることで周囲の視線を遮り、家族だけのプライベート空間を実現します。

地下1階は和の空間です。この空間は、多様な間接照明を取り入れ、独特の趣を演出しています。写真では天井ルーバーの作業中の様子が映っており、完成後にはルーバーが美しい陰影を生み出し、空間に奥行きを加えます。また、カウンター奥には「光壁」と呼ばれる、壁そのものが光を放っているように見える間接照明を採用しています。

眺望が開ける5階にはホームジムとバルコニー、最上階は週末に楽しむためのスパがレイアウトされた間取りです。写真には、個人住宅とは思えない露天岩風呂の施工中の様子が映っています。この岩風呂は、空間や形状にとらわれず、様々なサイズやデザインに対応できる、在来工法で仕上げています。完成した露天風呂は、まるで温泉旅館のようです。

多彩なフロア構成で叶えた、都心に建つ居城

ハイサイドライトから燦々と太陽の光が降り注ぎ、全体を明るく包み込むリビング。
正面には、都心では珍しい薪暖炉が設えられ、炎の揺らめきやパチパチと燃える音に癒されます。
さらに、アクアリウムの美しい水景も眺められ、家族だけのプライベート空間でリラックスしたひと時を過ごします。

2階のダイニング、1階のエントランス、地下1階の和の空間、3フロアに渡って水が流れ落ちる演出が施されました。和の空間の水盤は水深を深くし、水中照明で美しい水のゆらぎをライトアップ。奥のカウンターは寿司職人を招いてのケータリングが可能で、手前には囲炉裏付きの掘りごたつを設置し、鍋料理などが楽しめる特別な空間です。

最上階の6階に位置するスパは、商業地域と住宅地域の境に建つ立地を活かし、視界が開ける住宅地域側にバスルームを配置。露天風呂と隣接するジャグジーバスは開口部をフルオープンにでき、涼やかな風を感じる開放感を味わえます。各フロアで異なる用途を持たせ、都心の暮らしに潤いを与える贅沢な住まいです。

03 : 共鳴する隣地施工

高低差のある2区画の土地を購入され、別荘と経営する会社の保養施設としても使用する計画。
海が目の前に広がる抜群のロケーションを最大限に活かした、リゾートホテルのようなリラックス空間。

大きく翼を広げたような、
美しいスカイライン

2つの区画に建つ建物に一体感を与え、白い鳥が翼を広げたような美しいスカイラインを見せた外観。海辺に建つ別荘に相応しい白色の壁は、 太陽の位置によって陰影の変化が楽しめるように、7方向に角度を変えて構成されました。雄大な海の景色を望みながら、季節や時の経過によって異なる陰影を生み出します。

高低差のある2区画の敷地での
2棟同時施工

土地は雛壇状になっており、2つの敷地を1つに合わせて計画されたため、慎重に敷地を把握するところからスタートしました。1棟はLDKやベッドルームがある宿泊棟。もう1棟は、パーティールームやプール、ホームジムなどを完備したプレイルーム棟を配置し、デッキテラスでつなげた分棟型プランの計画です。

地面に建物を支える力がなければ、建物が傾いたり沈んだりしてしまうため地盤の強さを確認して杭工事を行い、建物を安全に建てるための補強していきます。杭は建物を支えるだけではなく、地震や台風といった災害時にも倒壊しにくいといった耐久性の向上も期待できます。基礎下は一面根府川石で覆われていたため、掘削にとても苦労しました。

プールがあるプレイルーム棟が、建設される現場の進捗状況を確認できる施工中の写真です。左側に少し写り込んでいるのが宿泊棟で、型枠をしっかりと組み立て、その中にコンクリートを流し込み、建物の基本的な形を形成していきます。建物の躯体が完成後、仕上げへと移行していく様子が時系列で確認できると思います。

現場は野生の「猿」の通り道

周囲は野生の猿が頻繁に出没する通り道に位置していて、度々現場にも現れていました。写真で見ると愛らしい姿をしていますが、実際に、数人の職人が猿に襲われるという被害も発生しています。野生動物は物理的な危険性だけでなく、感染症などのリスクもあるため、刺激しないよう冷静な対応を徹底し、工事を進行しました。

プレイルーム棟にあるパーティールームの内装工事が進行中です。大人数でのパーティーが想定され、間接照明でブルーにライトアップしたバーカウンターや、気泡で描いたアクアアートなど海をイメージした非日常空間で、奥にはDJブースもあり、音楽とともにムービングライトやスモークもたける本格的な仕様です。

宿泊棟とプレイルーム棟をつなぐデッキテラスが完成間近です。敷地の傾斜を巧みに生かし、2棟はこのデッキを介して行き来します。テラスに設けたインフィニティプールは、海と同化するように計画され、眺めを妨げないように海側にあった電線は電力会社と交渉を行い、1.2メートル下げて景観を守りました。

海景とインフィニティプールが共演するLDKからの眺め

海に面してワイドスパンの大開口はデッキへの出入り口以外はフィックスとし、海の眺めをアートのように切り取ります。
インテリアは、白と木を基調にしたシンプルかつ温かみのあるデザインで統一。
ゆったりとした時の流れを感じさせるリラックス空間を演出し、訪れる人々にくつろぎの時間を提供します。

2棟をつなぐデッキには、温水対応の全長13メートルのインフィニティプールがあり、水平線がどこまでも続く美しい景色を独占します。 プレイルーム棟には、ロウリュサウナや岩盤浴、海を眺めながら入浴できる大浴場があり、最上階にはコンクリート打ち放しのホームジムも完備。リゾートホテルのような、充実した施設も魅力です。

敷地の高低差を活かして各室の配置や高さを調整し、開口で切り取った景色は海だけを望みます。周囲の環境をシャットダウンした別荘は、海との対話を楽しめる別荘です。半年を要した市街化調整区域への建築許可、硬い岩盤への杭施工や近隣の土砂崩れなど苦労もありましたが、雄大な海を前にすべてが報われたことを実感できる作品になりました。